「North Star Metric」とは
date
Jul 11, 2021
type
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north-star-metric
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サービスの本質的な成長を目指したKPIツリーの設計
tags
UX
DataAnalysis
備考
この記事の目的
- NorthStarMetricを理解する
- 輪読会のメンバーに紹介できるようにする
NorthStarMetricとは?
North Star Metricはサービスを成長させるためのKPI設計のフレームワークとして、シリコンバレーの著名なサービスなどで積極的に採用されており、近年はさまざまな企業で取り入れられています。
"North Star"というのは「北極星」という意味で、North Star Metric (NSM) とは向かうべき方向を明確に示すような指標のことです。
North Star Metricでは 顧客の体験価値を測定する指標を明確に定めることで、サービスを本質的に成長させていくための方向性を明らかにします。
具体的には、下図のように KGI→NSM→KPI という形でKPIツリーを構成します。
NSMはどういう指標なのか
1. 先行指標
NSMは"売上"のようなアウトプットに対するインプットとなる指標のため、継続率や滞在時間などのような先行指標を設定します。"売上"はユーザーの行動の結果を示すため"遅行指標"と呼ばれます。
2. 顧客価値をきちんと提供できているかどうかを測る指標
例えば"売上"を増やすためには、"ユーザーが使いたいと思う価値"を提供する必要があるため、それを示せるような指標を設定します。
よく知られいている例
・Spotify = 視聴時間
・Airbnb = 予約日数
・WhatsApp = メッセージ送信数
NSMを設定することの効果
・追うべき指標が定まることでやることが明確になる
・1つの明確な成長の方向性を示すことで、リソースを正しい方向に集中できる
・本質的な顧客体験の改善を伴う正しい成長をチーム全体で意識を統一して目指せる
North Star Metricの決め方
1️⃣ プロダクトを分類
以下の3つのタイプのうちプロダクトがどれに当てはまるのかを考えます
2️⃣ NSMを仮決め
3️⃣ NSMの方程式でKPIへ因数分解
NSMを仮ぎめしたら、4つの軸でNSMを因数分解して各KPIへ分解します。
North Star Metric の方程式
NSM = 広がり × 深さ × 頻度 × 効率
4️⃣ ダッシュボードを作る
追うべき指標を閲覧できるようにダッシュボードを作ります。
毎日確認して、達成に向けて改善していけるチームをつくっていきましょう。
追っていく過程でNSMがKGIに大きく影響しなかったりした場合はNSMを見直します。
NSMとKPI設定の例
Spotifyの例
タイプはユーザーに時間を費やしてもらって楽しんでもらう「Attention型」なので、
KGIの「月額サブスクリプション収益」に対してNSMは「月間の視聴時間」と仮ぎめします。
そのNSMを4つの軸で分解すると下記のようなKPIがNSMを構成していることがわかります。
広がり
・課金プログラムのトライアル数
・課金ユーザー数
深さ
・セッションごとの滞在時間
・楽曲のシェア数
頻度
・週間のセッション数
・友達やアーティストのフォロー数
効率
・課金ユーザー転換率
・視聴までの検索ヒット数
上記のようにNSMを各KPIに分解できたら、そのKPIを上昇させる施策を打っていくことでNSMを成長させていきます。
まとめ
North Star Metricは、本質的なサービスの成長を生み出すことができるフレームワークです。
プロダクトのKPIツリーを設計する際にはぜひ参考にしてみましょう。